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小林よしのり
2018.10.31 09:34日々の出来事

表現者の「業」を理解した3人

時浦を通して、門下生から抗議があった。
「小林よしのりは弱者の気持ちが分からない。」
「門下生のことをブログに書いたら、弱者は傷つくから、
狂っていく」と言うのだ。

わしが門弟・門下生のことをブログに書くときは、
特定個人の名前は出さない。
個人に限らず、普遍性のある件だと思うときに、
匿名で、同様の人は他にもいるという前提で書いておく。
あくまでも「公共性」があるから書くのだ。
だが、「これは私のことだ」と思ったら、実は私だけの
ことではないのに、傷つくのだろう。

しかし、言っておくが表現者は、自分の目に映ることは
何でも書いてしまう。
かつて、この表現者の「業」を理解してくれた者が3人
いた。

まず、わしの父親だ。
親戚のことを描いて、親戚一同に責められたとき、父が
「よしのりは作家だから仕方がない。それが作家だ」と
かばってくれたのだ。
わしは驚いた。文学的感性などないと思っていた父が、
わしの身内の中で一番、わしを理解していたのだ。

次に堀辺正史と高森明勅。
わしが某論客を実名・似顔絵でボロクソに描いたとき、
その論客と親しい人物が「こんな描き方は品がない」と
面と向かって批判してきた。
そのとき二人はこう言った。
「小林よしのりと付き合う者は覚悟しなきゃならない。
他人に向かってる矢が、あるとき自分に向かってくる
かもしれない。小林よしのりはそういう作家だ。
どう描かれても仕方がないと覚悟して付き合うしかない」

わしの表現者としての「業」を理解してくれた者は、
忘れない。
ひょっとしたら男しか理解できないのかもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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